２０１７年２月にオープンしたサロン『オーケストラ』。シンプルな外観ながら、扉を開けて中へ入ると、ブルックリンテイストのおしゃれで心地よい空間が広がる。重厚感漂うレンガ壁、ヴィンテージ調の家具、センスあふれる雑貨などは、オーナースタイリストの片渕将太と、妻でスタイリストのＳＡＣＨＩＫＯが選び抜いたもの。ラフなカッコよさに加え、幅広い年代の人に好まれる落ち着いた雰囲気も意識した。

２１歳で地元の大手美容院に入社し、同期２０～３０人という環境の中で切磋琢磨しながら技術を学んだ片渕。約１０年間、さまざまな店舗で経験を積み、最終的に店長として活躍した。「大きな会社で働いたからこそ、自分も成長することができました。独立して今やっていけているのは、あの頃の経験があるから。感謝しています」と振り返る。

現在は、夫婦二人でサロンを経営。アシスタントがいないため、シャンプーからカット、カラー、スタイリングまで全てを一人のスタイリストが担当している。「遊び心を大切に、自由で開放的にサロンタイムを楽しんで欲しい」との思いから予約時間はゆったり目に設定。カウンセリングをしっかり行い、一人ひとりに似合うスタイルをじっくりと提案していく。片渕が特に自信を持つのが、ショートヘアのカットだ。丁寧な施術、美しいフォルム、再現性の高さに定評があり、リピーターも多い。「少しカットしただけでイメチェンできた」「翌日以降もセットがしやすかった」と評判も上々の様子。

また、店内にはキッズスペースを作り、おもちゃや絵本、ＤＶＤなどを用意。子連れでも気兼ねなく来られると、若いママから支持を集めている。片渕家にも二人の子どもがいるため、子育て話で盛り上がることも多いそうだ。

片渕が目指すのは、店名にもなっている『オーケストラ』のようなサロン。「カット、カラー、パーマ、そして人。いろんな技術が混ざり合うことで、一つのハーモニーを奏でられたら」と語る。二人からスタートしたが、ずっと今の形で…とは考えていない。ゆくゆくは、同じ思いを持つスタイリストを集めて、サロンでチームを作りたいという。片渕のオーケストラは、まだ始まったばかりだ。